下痢・腹痛が続く原因は下痢型IBS
(過敏性腸症候群)かもしれません

そもそも下痢はどうして起こるの?

下痢は、腸の運動が過剰になり、消化物が速く通過したり、腸粘膜からの分泌が増えたりすると、消化物が腸で水分を十分に吸収できなくなり、水分量の多い便が排泄される状態です。

下痢の原因には
●細菌やウイルスの感染による腸炎
●牛乳不耐症(乳糖不耐症)
●潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸がんなどの病気


などが考えられます。
しかし、通常の検査で原因を特定できる異常がみられないにもかかわらず下痢をくりかえす場合は、ストレスがおもな原因で起きる「下痢型IBS」が疑われます。

下痢型IBSの原因-ストレス

下痢型IBSが単純な下痢と大きく違うのは、おもな原因がストレスであることと、

●腹痛やおなかの張り
●おなかがなにか気持ち悪い
●おなかが鳴る


といった腹部症状をともなうことです。
また、排便によってその症状が軽減することもIBSであるかどうかを見極める目安になります。
IBSにより、不眠や不安・抑うつなどの症状が出る方もおられます。

下痢型IBSにともなう症状

ストレスを腸に伝える物質「セロトニン」

腸と脳は神経によってつながっていて、脳が不安やストレス(必ずしも自覚できるとは限りません)を感じると、その信号が腸に伝わって腸の運動に影響を与えることがわかっています。
下痢型IBSの患者さんでは、この信号が伝わりやすくなっているため、腸が過剰に反応してしまうのです。このとき腸では、「セロトニン」という神経伝達物質※1が腸の粘膜から分泌されます。

セロトニンというと、うつ症状と関連してイメージする人が多いかもしれません。しかし実は、体内のセロトニンのうち、脳などの中枢神経に存在しているのはわずか1~2%程度で、残りの約90%は腸内に存在しているのです。セロトニンが「セロトニン受容体※2」と結合すると、腸のぜん動運動※3が異常をきたし、下痢や腹部症状を引き起こすのです。

※1:神経伝達物質…情報伝達をつかさどる化学物質の総称。 ※2:セロトニン受容体…セロトニンからの信号の受け手。 ※3:ぜん動運動…便のもととなる腸内の消化物を押し出そうとする腸の動き。

腸内セロトニン

下痢型IBSは医師による治療で改善が期待できる疾患です。
下痢型IBSには、さまざまな治療法があります。IBSかな?と思ったら、まずは医師にご相談ください。