下痢や腹痛は誰しもが経験する症状であり、それ自体が珍しいことではありません。しかしそれゆえに、「ただの下痢や腹痛だから」と当たり前のように受け入れてしまい、そこに病気が潜んでいたとしても気づきにくい場合が多いようです。
便通異常から考えられる腸の病気には、多くの病気が存在します。便通異常が長く続く場合は、その原因が何であるのかをしっかりと見極める必要があるでしょう。
慢性的な便通異常のうち、とくに見逃してはならないのが大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)です。このため医療機関を受診すると、まずはこうした大きな病気が潜んでいないかどうかを確認するために、血液や便の検査をすることもあります。とくに急激な体重減少や血の混じった便がみられたり、就寝中にもかかわらず排便のためにトイレに行きたくなったりする場合は、大腸がんや炎症性腸疾患などの疑いが高く、大腸内視鏡検査などによる詳しい検査を行います。
腸に発生するおもな病気
大腸がん
大腸粘膜にできるがん。がんのために腸内の消化物が通りにくくなっています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
腸の粘膜が炎症を起こし、ただれや潰瘍ができます。
IBS(過敏性腸症候群)
腸に原因となる「大腸がん」や「炎症性腸疾患」などの異常が認められないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感をともなう便通異常をくり返し起こします。
感染性腸炎
細菌、ウイルス、原虫、寄生虫などが腸内に増殖した状態です。
痔
下痢や便秘をすると、痔から出血しやすくなります。
大腸憩室
炎症を起こして、腹痛や血便をきたすことがあります。
牛乳不耐症(乳糖不耐症)
牛乳に含まれる乳糖という成分を分解・消化する酵素が腸内に少ない、もしくは腸内にその酵素がないという人が、牛乳を飲んだときに起きる症状です。


